Articulating the Concept for an Urban Lifestyle Apparel Brand

株式会社ゴールドウイン
NEUTRALWORKS.のビジョンを明文化し、ブランドコンセプトをデザイン

スポーツウェアの製造販売会社として日本有数の規模を誇るGOLDWIN。同社が抱えるブランドの一つとして2016年に立ち上がったのがNEUTRALWORKS.です。「ココロとカラダをニュートラルな状態に整える」をテーマに、デザインや機能性の高い商品を提案してきました。2022年春に向けてオリジナルコレクションを発表するタイミングで改めてブランドとしてのあり方を模索している中、IDEOと協業し、ユーザーの視点からブランドの規定を実施しました。

販売するプロダクトやロゴはすでに決まっている中、ブランドとして一番の課題は「ブランドの目指す方向性や世界観をどのように翻訳し、ユーザーにコミュニケーションできるか」。チームはリサーチを通じて、ブランドが持つ世界観の言語化に取り組みました。インタビューを行う中でテーマとなったのは、ブランド名にもなっている「ニュートラル」とはどんな状態を意味するのかです。スポーツやカラダを動かすことを愛するGOLDWINが展開するこのブランドだからこそ、これからの時代に必要な「ニュートラル」な状態とは何かを、改めて明確にする必要がありました。社員やさまざまなユーザーに加え、農学博士、パーマカルチャーの実践者、心理学者、テックカルチャー雑誌編集者など、さまざまな専門家へのリサーチ。そしてクライアントチームとのディスカッションからチームが辿り着いたのは、Goldwinの提供する現代に必要な「ニュートラル」とは、「次の様々なアクションに向けた準備が出来ている状態 (= 常にreadyであること)」というものでした。

リサーチを踏まえ新たに作成したブランドビジョン


これらを踏まえて新たに作成したブランドビジョンは「人々の日々の活動の間の『マインドシフト』をサポートし、10年後も常に動けるReadyな状態を作る」。次の行動にシームレスに移行するためのTransitionをサポートし、心身をニュートラルな状態に導くブランド。 食と仕事の間、睡眠と遊びの間、平日と週末の間、朝と昼の間、今日と明日の間など、様々な「間」をサポートし、心身ともにニュートラルな状態へ導く。GOLDWIN社が培ってきた技術力を活かし、運動でも着ることができる高い機能性を誇りながらも、日常の中で着ることができる快適性とデザインも兼ね備えたプロダクトを多く展開するNEUTRALWORKS.だからこそ支えられる、日常の「間」に着目しました。また、ブランドを表現するタグライン「GET YOU READY」も考案。SNSでハッシュタグとしても利用できるようなシンプルで短いフレーズへと発展させ生まれたこのコピーを通じて、ブランドが目指す方向性をコミュニケーションしています。

ブランドを表現するタグライン「GET YOU READY」を考案

ブランドビジョンとタグラインを策定した上で、チームは「どうしたら、いつでも次のアクションへシームレスに移行できる心身ともにreadyな状態を作れるだろうか?」という問いを立て、消費者へのコミュニケーションやブランドとしての機会領域の策定に取り組みました。

リサーチの学びや、ワークショップも踏まえながら、絞り込まれたブランドユーザーは、コアユーザーとサブユーザーの2つ。コアは、心身へのアウェアネスが高く、文化・美意識の審美眼があり、バランスに対しセンシティブで、ブランドのコンセプトに共感しやすいカスタマー。サブは、心身へのアウェアネスはまだ低いものの、日常的に動くことが好きで、新しいものへの探究心・好奇心が強い、ブランドとともに成長を促すことができるカスタマーと定めました。


ブランドユーザーをコアユーザーとサブユーザーの2つに絞った

それぞれのユーザージャーニーも描くことで、ブランドと消費者のタッチポイントを具体的に提案。また「常にreadyであること」をあらゆる側面から支えるために、新たな商品や店舗ツール、郊外型の新しい店舗形態、アプリ、サブスクリプション・サービス、施設でのイベントなどについても考案し、ブランドの未来に向けたコンセプトを提案しました。

ブランドの未来に向けたさまざまなコンセプトを提案

その後、NEUTRALWORKS.は新しいブランドビジョンとタグラインのもと展開しています。さまざまな分野で活躍する人々への「Ready」な状態を紐解くインタビューを通じて、日々の活動のマインドシフトをサポートするオウンドメディア、“PEOPLE” by NEUTRALWORKS.もスタートするなど、人々の活動の間を支え、「Ready」な状態を作るブランドとして成長を続けています。

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