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“最終的なアイデアは、プロダクトではなく、そのカテゴリの文化や楽しみ方を変えるようなサービスに収束したのがすごいと思いました。”

House Foods

ハウス食品株式会社 新規事業に関わる皆様へのインタビュー

ご協力:ハウス食品株式会社
経営企画部マーケティング企画課長 小田川 周一 様
事業戦略本部 課長 黒田 英幸 様
開発研究所 グループ長 津森 義邦 様

"事業の枠も取っ払い、人間起点で考えていくアプローチに魅力を感じた。"

IDEO: IDEOとの協働を決められた背景を教えてください。

House Foods: 当時、社内で新たな事業アイデアを考えなければならなかったのですが、ハウスがこれまで行ってきた同じ開発のやり方では、新しいものを生みだすのは難しいだろうと感じていました。そんな中で、これまでとは異なる新しいアプローチを探していたところに、たまたまIDEOの掲載記事を見て興味を持ち、連絡を取ったら、すぐに会って相談に乗って頂いたのがきっかけです。

 これまでは基本的に、事業部ごとにカテゴリやチャネルの枠が決められたなかで発想していくやり方が通例でした。カレーのルウだったら、それ専門のユニットがあって、ルウのことだけを突き詰めて開発していく、市場の分析をベースに、アイデアを考えていく、というアプローチをとっていました。

 IDEOは、技術や市場がどう、というところはまず置いといて、事業の枠も取っ払い、人間起点で考えていく、そんなところに魅力を感じました。

"アウトプットの広がりは、最初の目的を何に置くか、問いをどう立てるかで変わる。"

IDEO: 3ヶ月のプロジェクトを振り返って、一番の成果は何でしょうか。

House Foods: ”ハウスの強みを活かして何か新しい事業を考える”という、お題があってないような段階からスタートしたプロジェクトでしたが、様々な商品カテゴリのなかから一つに絞り、最終的に3つの事業案をつくることができました。

 その3つに共通していたのは、どれも経営陣が納得するメッセージ性やストーリーがあったこと。一番大きな収穫は、社長がIDEOのアプローチを評価し、これらの事業案に共感して考え方まで変わったことではないでしょうか。そのため、社内のいろんな部署が興味を持ち、同じ話を何度もするありがたい機会を得ています。

 これまで私たちは、プロダクトで何でも解決しようとしていました。今ある技術で「作れるもの」「できること」は何かを考えていた。IDEOのプレゼンテーションに、「デザイン思考は、常にPEOPLE(人)から初めて、BUSINESS(事業としての実行可能性)、TECHNICAL(技術的な実現性)を考える」という図がありましたが、思えば私たちはいつもBUSINESSばかりを見ていて、人は後回しでした。「これ欲しいですか?」「これの欠点は何ですか?」と、自分たちが考えたビジネスに人を当てはめていたように思います。

 今回IDEOとのプロジェクトでは、リサーチをしながらあるカテゴリに絞りましたが、最終的なアイデアは、プロダクトではなく、そのカテゴリの文化や楽しみ方を変えるようなサービスに収束したのがすごいと思いました。こうしたアウトプットの広がりは、最初の目的を何に置くか、問いをどう立てるかで変わるんですね。実務上、言われた仕事をやることも多いなかで、改めて自分たちが何者で、何をしたいかを考え直し、それを起点に事業を考える良いきっかけになりました。

IDEO: IDEOのアプローチで、驚いたことや興味深かったこと、また戸惑ったことなどはありますか?

House Foods: これまで読んだデザイン思考の書籍や座学を通じて一連の流れは理解していましたが、一番衝撃的だったのは、お客様や弊社のスタッフ、経営者から意見を引き出す力です。デザイン思考というと、どうしてもプロセスの順序や最終的な表現、意匠の部分に意識が行きがちですが、デザイナーが人を観察する力、私たちでは聞き出せないようなことを引き出す力は本当にすごいなと思いました。彼らの人に共感する力は、スキルというよりも「人間力」に近いですよね。

House Foods2

"IDEOのリサーチは、仮説を作らず臨む。"

IDEO: これまでのマーケティング活動と異なると感じた点について、具体的に教えてください。

House Foods: これまで我々がやっていたマーケットリサーチは、自分たちの仮説が合っているかを検証することが目的でした。IDEOのリサーチは、仮説を作らずに臨みます。インタビューのフローも、あってないような、雑談に近い形で進んでいくのに、その過程でいろんなものを引き出していく。エクストリームユーザーから出てくるとんでもない話の数々には、内心ドキドキしながら「一体これをどうやって活かすのか?!」と見守っていましたが、最終的な成果物にまとめ上げていくプロセスも見せてもらい、感心しました。ユーザーの声を拾い出すやり方は従来とかぶる部分もあるかもしれないですが、その目的やプロセス、拾った声の使い方が違うなと...。特に、インタビューに協力してくれたユーザーと直接会っていない経営陣たちにも共感させるストーリーテリングの手法がすごいと思いました。

"世の中が急速に変化する中で、私たちも変わっていかないといけない。"

IDEO: みなさんが今、一番情熱を感じていることを教えてください。

House Foods:
黒田氏「今回学んだような新たなアプローチをいかに社内全体に浸透させて、新しいものを生み出せる会社になるかが、当社の課題だと思っています。そのためには、私たちが率先して結果を出して、示していかないといけません。お客様をしっかりと見ながらも、良い意味で期待を裏切れる、期待の斜め上くらいをいける商品やサービスを創っていきたいと思っています。」

小田川氏「このような新たなプロジェクトをスムーズに進めるための組織のあり方を考えたいです。仕組みももちろんですが、提案側と判断側が同じ目線で企画を見つめていける『軸』を作っていきたいと思っています。この3つの事業案は、我が社全体に対して、本当に良い投げかけをしてくれたと思います。個人的には、お客様に私たちの想いが伝わった時が一番嬉しい。お客様から『いいね!』がたくさんもらえるように、頑張りたいですね。」

津森氏「まずは今回の事業案について、どんどんテストマーケティングしていきたいです。小さくてもいいから成功を積み重ねて、周囲に説得力を持たせていきたい。今回IDEOとのプロジェクトを通じて、本来私たちはとても楽しいことをやっているんだ、と改めて気づかされました。これからも、ハウスの商品を日本中に届けたい、というのが私のパッションです。世の中が急速に変化し、家族構成も、働き方も変わる中でそれを実現するには、私たちも変わっていかないといけないと思っています。」


ご協力:

ハウス食品株式会社
経営企画部マーケティング企画課長 小田川 周一 様
事業戦略本部 課長 黒田 英幸 様
開発研究所 グループ長 津森 義邦 様